【麺喰ワンダラー】
2025年12月に食べて印象に残ったお店
【44杯中10杯】
2026.03.05
12月に食べた44杯中、印象に残った10杯を紹介します。(順不同)
◎らーめん 護什番(護国寺)
▼旨辛痺麺(辛さ普通1150円)+真っ赤卵ポン玉(100円)

2025年4月、「真鯛らーめん」をメインメニューとしてオープン。真鯛白湯スープに軟骨が印象的で個性的なラーメンだった。ところが、10月に出した新メニュー「旨辛痺麺」が大バズり。ラーメンデータベースや食べログのレビューは、ここ2カ月、ほぼこのメニューで埋め尽くされている。辛さやシビレは思ったほどではなく、むしろ私としては食べやすかった。辛いのを希望する方には辛口(+100円)もあるのでそちらを頼めばOK。食後は甘味が口の中に残って辛さやシビレではないところが面白い。軟骨がメチャメチャおいしいので次回はチャーシューマシで頼みたい。それくらいここの軟骨チャーシューはおいしい。
全体的な見た目のインパクトもあるし、いろんな味わいもあって食べていて楽しい。「真っ赤卵ポン玉」100円をトッピングして、最初はつけめんのように、半分くらい食べたところで丼に全投入して味変。この「ポン玉」もオススメ。もはや看板商品になった感がある。
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〒171-0032 東京都豊島区雑司が谷1丁目30−15
◎黒勝(渋谷)
▼白味噌ラーメン(1000円)

2025年12月末で閉店すると聞いて慌てて行ってきた。
こちらの店主は「ど・みそ京橋本店」の店長だった人。2019年10月、神保町に「濃厚蟹みそラーメン 石黒商店」をオープン。『第21回 TRYラーメン大賞 2020-2021』の新店みそ部門で5位入賞。順風満帆なスタート。しかし、コロナ禍に突入。それでも2020年12月、この渋谷店をオープン。ところが、カニが高騰し、蟹味噌ラーメンを諦めるざるを得なくなった。そして2022年5月「味噌らーめん専門 黒勝」へリニューアル。店名は店主の名前・石黒勝也から。頼んだのは白味噌らーめん。「ど・みそ」譲りの濃厚スープ。そこに浅草開化楼の麺が絶妙に合って、実においしい。閉店がもったいない。
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◎麺や晴心(落合)
▼特製手揉み中華そば(塩:1550円)

2024年11月オープン。「TRYラーメン大賞2025-2026」で「新店大賞」「新店しょうゆ」「新店しお」の3部門で1位を獲得。いい新店が多かった中で快挙だと思う。味を変えたと聞いて二回目。前回は醤油味だったので今回は塩を特製で注文。
ネット上での評価は『前の味もおいしかったけど、さらにおいしくなった』というのが多い。比較のために私も醤油を食べれば良かったのだけど、そこはやっぱり未食の塩のボタンを押していました。
最近トレンドになりつつある“やや濁り系”のスープは重層的な旨味が強くかなりおいしい。麺は同じような気がするけど、菅野製麺所のもち小麦使用の太麺。それを茹でる前に丁寧に手揉み。この麺は相変わらずおいしい。この麺を使うところが、もっと増えるといいな。
チャーシューは岩中豚肩ロース吊るし焼、梅里豚バラ(煮豚)、鶏ムネが各2枚ずつ。(デフォは各1枚ずつ)どれもおいしいが、吊し焼きの香ばしさがたまらん。
接客は相変わらず素晴らしい。いいお店になってきている。行列も長い。
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〒164-0003 東京都中野区東中野4丁目30−16 ライオンズマンション中野東 102B
◎流星軒(横浜市:吉野町)
▼【期間限定】遠い恋人(1850円)

横浜の吉野町と言えば「鶏喰(とりっく)」「流星軒」「ぺーぱん」と人気ラーメン店が揃っている。もちろん3軒とも行っているが、今回は「流星軒」に来てみた。2000年に独学でオープンの26年目。業界最高権威のラーメン本「TRYラーメン大賞」の味噌部門では、12年連続掲載で1位を獲得したこともある。メニューが豊富で17種類のメニューが並んでいる。しかもそのうち7種類には塩と醤油があるので実質24種類。さらに期間限定がいくつか出ているのでもっと増える。メニューによって麺を変えており、聞くと6種類を使いこなしているらしい。人気の味噌味は食べてるので今回は限定メニューを注文。
清湯塩味のラーメンで麺が極太のもち小麦使用麺。いや〜驚いた。創業26年目だが、今流行りの麺にも目を向け、限定で使っている。聞くと他のお店でこれに似た麺を使っているのを食べて面白いと思い、同じ製麺所だったので頼んでみたとのこと。この麺に清湯だとスープが負けそうな感じだが、揚げネギがガッツリ効いて面白い相性だ。他に海老ワンタンが入っていたり、炙りチャーシューもおいしいし、満足の一杯。2軒目だったが完食完飲。
ところでメニュー名の『遠い恋人』だが、店主が溺愛する矢沢永吉さんソロデビュー50周年、6年振り通算35枚目のニューアルバム『I believe』の中の最後の曲。そこから取っている。お店の屋号は20枚目のアルバム『Anytime Woman』の6曲目に入っている『流星(ながれぼし)』から取っている。「流れ星のように俺は生きたい」(詞:松本隆)。店主もそんな想いを持って店を続けているのだと思う。BGMはほぼ矢沢永吉さんの歌だが、たまに店主自身の歌が流れていることもある。
※テレビ番組でこのメニューが紹介されるかもしれないので、1月中旬くらいまで発売予定。
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〒232-0011 神奈川県横浜市南区日枝町4丁目97−2 グレイス南太田 102
◎渡なべ(高田馬場/西早稲田)
▼鹿児島ラーメン(塩味:1200円)

限定の鹿児島ラーメン(こいくち・うすくち)に続いて、“おまけ”として出してきたのが期間限定のり一(鹿児島)インスパイアラーメン。鹿児島市の現老舗御三家の一軒。(ざぼん1946年創業、のり一1949年創業、こむらさき1950年創業)ただし、渡辺樹庵さんは店名を出していません。このように書いています。
『見た目で分かると思いますが、あれのインスパイアです。あれです。今回は再現ではなく、「参考にして仕上げた」感じです。』
鹿児島市の繁華街、天文館で飲んだくれたあとは「のり一」で〆る、というのが、パターン。10年くらい前まで300円で頑張っていて、少しずつ上がって、今では700円。それでも十分安い。『がらスープは、鶏がら8、豚骨2の割合で2時間炊いたもの。これに食塩と隠し味の醤油を加えれば完成』。飲んだ後に食べると妙に安心するというか、しっくりいく薄塩味。今回の限定ラーメンは参考にしているものの東京らしく仕上げてあり、素晴らしくおいしかった。
最後に大事なこと。今回も「鹿児島ラーメン」なので、1947年創業の「のぼる屋」から始まったという鹿児島のラーメン店の特徴である漬物が出てきます。それと、作り方を見ていてください。スープは、麺や具材を盛り付けたあとに最後にあとがけです。これも鹿児島のラーメン店の特徴。これは「ざぼん」が始めたことだと思います。全国でも鹿児島だけじゃないかな〜、スープのあと掛けは。ラーメンを混ぜる前にスープを飲むと出汁の味がよくわかります。もちろん、麺を食べる際には下からよく混ぜてから。これも鹿児島流。ラーメン愛が伝わる一杯。普通の経営者ならここまではやらない(笑)。
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〒169-0075 東京都新宿区高田馬場2丁目1−4
◎Dad’s Ramen 夢にでてきた中華そば(自由が丘)
▼つけW(だしにぼと澄みそば:2000円)

「TRYラーメン大賞2025-2026」(講談社)名店にぼし部門で1位を獲得。しかし現状に甘んじず、新メニューも増えてます。11月下旬に発売された新メニューは「つけW」。つけ汁が「夢にでてきた中華そば」と「だしにぼ」から一つ選択し、もうひとつは「澄みそば」。麺は修業先であり師匠の「伊藤」の細麺と自家製の極太手打ち練り込み麺。2種類のつけ汁と2種類の麺を堪能できる楽しいメニュー。海苔と塩も付くので食べ方はいろいろ。さらに開店前から並んだのでローストビーフがサービス。実に贅沢な素晴らしいつけ麺。
店主の吉田さんはお笑い(吉本)出身だが、店全体の接客や雰囲気も良く、何しろメニュー一つ一つに意味があり、思い入れやストーリーがあり、それらを読んでから食べるとそれらが調味料になってさらにおいしくなる。メインメニューはもうみなさんご存知のストーリーだが、つけに関しては『伊藤で修業時代に限定メニューで煮干しのつけそばに情熱を注いでいた』とある。『淡麗煮干しスープと締めた伊藤の麺が大好きだったから』。好きこそ物の上手なれと言われるが、まず作る本人が好きだというのは重要。そこに愛があるかどうかはおいしい仕上がりになるどうかの分岐点でもある。自分の好きなメニューをお客様に食べていただきたいという思いと、かなり作業として手間のかかる「つけ」をメニューオンすることを許してくれる奥様やスタッフへの感謝の気持ちも溢れている。もちろん、最重要な“伊藤麺”を製麺してくれる師匠への感謝の気持ちも忘れない。
「つけW」に関しては、そんな想いの詰まった伊藤麺に併せて極太手打ち麺も用意。真逆のタイプを食べてもらうことで「つけ」の奥深さや楽しみを知ってもらおうという思いが感じられる。そしてつけ汁も「夢中」か「だしにぼ」から一つ選択、もうひとつは「澄みそば」、つまり、この店の代表的なメニュー3つのうちの二つをこの1食で堪能できるのだ。そして自慢のチャーシュー達がたっぷりつけ汁に入っている。これまたおいしい。
そして、本来、スープ割りは用意してないのだが、希望者には“味噌汁割り”をしてくれる。この味噌汁にも“思い”が込められているので吉田店主のいろんな“思い(想い)”がいろんなパーツから押し寄せてくる。総集編みたいなメニュー。好きなメニューを一通り食べた後にこのメニューを食べると頭の中に吉田さんの想いが走馬灯のように廻ってくる。胸が熱くなるおいしい食体験、ここにあり。
そういや姉妹店の「煮干しNoodles NiboNiboCino」(旗の台)でも新メニューが増えたようなので、そちらも久しぶりに食べに行かなきゃ。
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〒152-0035 東京都目黒区自由が丘3丁目7−1
◎九段 井さい(九段下)
▼極 ネギにぼ中華そば(950円)

12月6日から発売開始の新メニュー「極 ネギにぼ中華そば」。煮干し系ではあまり食べたことの無い組合せ。でもちゃんとおいしいし、しっかりウマい。
主役は極太縮れ麺。この麺がなんと、閉店した仙台の幻の店「五福星」直伝シルク麺。お店の2階で店主の井上さんが製麺しているようだ。この麺が実においしい。口の中で暴れてくれる。その暴れ具合と噛んだ時のやさしく押し返してくれる歯応え、そして喉越しがいい。煮干しスープにこんな太縮れ麺を合わせたのも面白い。違和感がないのがまたなんとも言えない。
準主役が京都知七の九条ネギ。シャキシャキしていつもおいしい。大好きなネギ。このネギをそのまま食べてもおいしいが、スープや油に触れて少ししなってくるとまたいい味を出してくる。このネギあってのこのメニュー。
そしてお店の看板である煮干しスープが脇役になっている。でも、この脇役もしっかり力を発揮しないとラーメンとしては成立しない。見た目、ゴクニボ色をしているのだが意外とあっさりすっきり。ネギ効果なのか、こういう作り方なのか、旨味だけはズキュンとくる。油もくどくなくて、完飲。この日、2軒目だったし、いったん、というか、何回かレンゲを置いたのに、もうちょっと、もうちょっと、と後を引き、気が付いたら完飲していた。
気持ち良い好感接客に見送られて、満足の一杯。
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〒102-0072 東京都千代田区飯田橋2丁目5−1
◎軍鶏拉麺 飛天(人形町)
▼鶏承 軍鶏拉麺(1800円)

2025年12月10日オープン。創業1760年の超老舗鳥料理店「玉ひで」が3年のリニューアル工事を経てオープンし、話題になっている。現在は八代目だが、その下で鳥を研究し尽くしていた八代目店主の二男がラーメン店として独立。これまでの経験を活かして軍鶏拉麺専門店をオープン。スープは「玉ひで」と関係が深い川俣シャモと奥久慈しゃものみ、軍鶏100%スープで無化調。タレは粟国の塩と醤油をブレンド。鶏油は軍鶏の皮から半日かけてじっくり丁寧に抽出した上品かつ高品質な香り豊かなもの。朝炊きのフレッシュな濃厚スープはコラーゲンたっぷりで唇がくっつきそう。
麺は「はしづめ製麺」製で何種類もの麺をスープに合わせてみて、最適解の細麺を選択。
そして、玉ひで出身者だけに鶏肉に関しては他のラーメン店に負けられない。一番のウリは玉ひでが親子丼用に開発した銘柄鶏・赤麓紡ぎ鶏(あかろくつむぎどり)の手羽(じっくり煮込んだあと味醂・醤油で焼き上げている)。しっとり柔らかく、ジューシーで甘味のある脂がおいしい。そして川俣シャモの鶏ムネ(塩麹で漬け込み)と鶏モモ(昆布締めのあと真空低温調理)。長い間、玉ひでで川俣シャモを扱ってきたので、どう調理したらおいしくなるか、知り尽くしているので濃厚な旨味を味わえる。迷うことなく完食完飲。
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〒103-0013 東京都中央区日本橋人形町1丁目17−9
◎塩らーめん専門 ひるがお 大岡山店
▼【期間限定】殿様中華そば(1300円)

「気むずかし家」などを手掛けるボンドオブハーツ代表&信州のカリスマこと塚田さんと信州麺友会が一緒になって『長野に新ご当地ラーメンを作ろう!』ということでできあがったのが【王様中華そば】。私はこのラーメンが大好きであちこち食べている。
そして仲の良い前島さんの「ひるがお」で「殿様中華そば」と言う名前で冬季限定発売しているのを見つけ、食べてきました。塚田さんや長野に関係ない店だと『パクリだ!』と大騒ぎするところですが、『ラーメン侍』で共演している仲なのでOKをもらっていることでしょう。予想通りというか、いい感じで仕上がっていて、とてもおいしい。チャーシューが鴨ロースと鶏モモになっていて、これが王道とは違いますがこのチャーシュー、とてもウマいです。次回の限定は「鍋焼きラーメン」(須崎のご当地)が始まるそう。こちらも過去に食べたがおいしいです。
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〒145-0062 東京都大田区北千束1丁目44−4
◎ラーメン星印(横浜市:反町)
▼特製醤油らぁ麺(1600円)+塩らぁ麺(1100円)

2014年3月オープン。神奈川県の銘店「支那そばや」出身。元々、待ちができる人気店だったが2024年初頭に味をリニューアル。その結果なのか、「TRYラーメン大賞2025−2026」に初掲載。醤油部門7位、塩部門5位とW掲載。となれば、両方食べるでしょう。
チャーシューが複数種類あり、特製じゃないと入らないのがあるので醤油味は特製で注文。見た目は修業先である「支那そばや」とは違い、清湯ではなく今流行りの“薄濁り”系。分厚い動物系のスープに魚介系も負けないくらい効かせてあり、パンチのあるいっぱい。スープを飲んでいると随所に「支那そばや」のエッセンスを感じるのが面白い。そして二杯目の塩。こちらも塩味だが半濁でスープが重層で実においしい。同じように「支那そばや」を感じられるのがいい。麺はどちらも「支那そばや」麺工房の細麺。創業10周年を越え、さらにおいしくなり、銘店の貫禄が出てきた。
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〒221-0825 神奈川県横浜市神奈川区反町1丁目3−4 ルミノ反町
コチラをクリック→麺喰いワンダラー参照
この記事を書いた人
■大崎 裕史(おおさき・ひろし) 自称「日本一ラーメンを食べた男」。2024年6月末で約2万9000杯のラーメンを食破。株式会社ラーメンデータバンク代表取締役 Webおよび携帯の「ラーメンデータベース」を運営している。
https://ramen-japan.jp/glossary/hiroshi-osaki/
この記事はラーメンジャパン(Ramen-Japan)でも掲載しております。ご当地ラーメンやラーメンの歴史、コラムなどを日本語・英語・中国語でもわかりやすく紹介しております。
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