【麺喰ワンダラー】
“ラーメンの魔術師”が町中華にチャレンジ!
2025.12.22
■町中華 さしろく(東京都品川区五反田)
夜:夜の醤油ラーメン(1000円)・おつまみめん(600円)
翌日昼:さしろく塩ワンタンメン(1400円)、
2025年10月23日オープン。
なんと!本八幡で21年、人気の「魂麺」店主が城南地区に電撃出店。しかもプロデュースとかセカンドブランドとかではなく、店主自ら厨房に立つ店。その謎を紐解く記事が2022年6月に書かれている。「ラーメンWalkerキッチン」に“町中華”として出店。その際のインタビューによると『今は分厚い出汁が流行で、それもめちゃくちゃ美味しいんですよ。でも、毎日食べるなら町中華なんです。それは胃腸が疲れないから。強い人は濃厚な出汁でも濃い味でも何ともないだろうけど、自分は酒飲みだからお腹が弱くて。やっぱり食事って元気にならないとだめなんだよね。町中華は味付けも控え目で、やさしい味。食べると元気になります』
そしてこんなことも。『町中華って、昔から日本人の食生活の中に当たり前のようにある、なくてはならないもの。日本の文化ですね。その当たり前がいつの間にかなくならないように、知ってもらえたらうれしいです。』この頃から「いつか町中華をやりたい」と言っていたが、とうとう形にしてしまった。
元々、「ラーメン魔術師」の異名を持ち、今までに生み出したラーメンのレシピは500種類を超えるという。ラーメン以外のものを作ってもおいしいに違いない。

▲「さしろく」の外観
今回のお店の特徴は、『昼はラーメン専門店、夜は立ち飲み町中華』。カウンターのみ8〜9席。夜はワンドリンク・ワンフード・二時間制。椅子が必要な方には出していた。夜もラーメンを提供するが、それは町中華としての〆メニューで昼とは味もボリュームも違う。というわけで、まずは夜の麺メニューを食べに行ってみた。

▲夜の醤油ラーメン(ハーフで1000円、フルを食べたい人は+200円)
他でいろいろ食べてきたのでレモンサワーを飲みながら、店主に話を聞き、一品料理はいずれまたの機会にして麺料理に絞って頼んでみた。スープは中華料理のベースにも使うのでシンプルな鶏ベース。細麺にトッピングはチャーシューとネギ。一般的な町中華はフルサイズの麺メニューがほとんどでこういう半分の量で〆ラ−メンを提供するお店は少ない。でも、こちらは“基本”がハーフなのが嬉しい。優しい味わいだがちゃんとしっかりおいしい。

▲おつまみめん(600円)
店主の修業先である「13湯麺(かずさんとんみん)」の「光麺」がベースになった汁なし麺。麺にタレ、胡麻、青ネギ、チャーシュー細切れ、沙茶醤などを混ぜて食べる。こちらは〆と言うよりは、つまみで食べる麺料理。改めて「他の料理もおいしいに違いない」と思わせる逸品。シンプルだが、メチャメチャおいしい。

▲さしろく塩ワンタンメン(1400円)
翌日、昼に再訪。
昼のスープは焼きあごをベースに丸鶏と佐助豚を使用した動物+魚介の淡麗清湯。(醤油味には静岡県掛川市の栄醤油と兵庫県たつの市の末廣醤油をブランドした特製醤油ダレを使用。)醤油と塩の具の違いは、芽ネギと柚子皮。麺は「さぬきの夢」(うどん用に使われる小麦粉)をブレンドして紀州屋製麺(新宿)に特注した細ストレート。ワンタン皮は、酒田の老舗人気店「満月」から取り寄せている極薄皮、餡はアクセントでとろけるような皮を楽しむ仕様。
醤油も食べに来たいし、夜に再訪していろいろ食べてみたい、そう思わせる味わい。
なお、店名の「さしろく」についても聞いたが子供の名前をもじって付けたもので詳細は個人情報に触れるので割愛。
夜、複数人で行っていろいろシェアして食べてラーメンで〆てみたい。
この記事を書いた人
■大崎 裕史(おおさき・ひろし) 自称「日本一ラーメンを食べた男」。2024年6月末で約2万9000杯のラーメンを食破。株式会社ラーメンデータバンク代表取締役 Webおよび携帯の「ラーメンデータベース」を運営している。
https://ramen-japan.jp/glossary/hiroshi-osaki/
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